野菜人・果物人
野菜人・果物人【総集編】 青果物を取り扱い、輝き続ける「野菜人・果物人」の魅力

【総集編】 青果物を取り扱い、輝き続ける「野菜人・果物人」の魅力

野菜や果物を愛し、その素晴らしさを伝える人々を追う

 2005年1月にスタートした、野菜ソムリエコラム「野菜人・果物人」。早いもので5周年を向かえ、前号までに紹介した方は73人となりました。

 この「野菜人・果物人」は、青果に関連のある仕事に携わっている方、または青果を通して地域・環境・教育などに携わっている方など様々な分野の中から、野菜や果物を愛し、その素晴らしさを生活者へ伝えていくことに情熱を注いでいる方々を紹介していく企画です。

 今回は、これまでどんな方が登場したのかを、総集編として簡単に振り返ってみたいと思います。活動する分野の違いこそあれ、多くの方が野菜・果物に関係していることを、ご理解頂けるでしょう。



既存スタイルからの進化、一つの枠に留まらない挑戦がある


第39回 横田尚人さん、千洋さん、泰弘さん(有限会社--しいたけブラザーズ--経営)【2007年3月7日・3月20日掲載】

 さて、青果に一番近い仕事と言えば、やっぱり生産者。「野菜人・果物人」では、就農1年目の新人農家から数十年のベテラン農家まで、さまざまな方を紹介しました。

 今や様々なメディアで取り上げられる、横田尚人さんら「有限会社しいたけブラザース」もその中の一組です。

 しいたけの魅力を最大限に生かせる原木栽培に取り組み、兄弟3人でこだわりのしいたけを生産しています。生産・加工・販売まで手がける横田さんらの農業は、現在頻繁に耳にするしきりに叫ばれる6次産業の理想系とも言えるでしょう。




第72回 加藤宏一さん(東京青果株式会社)【2009年10月28日・11月11日掲載】

 農家が手塩にかけてつくった農産物を扱う、流通の現場で働く人たちも忘れてはいけません。ただ、産直のような市場外流通が増えた昨今、市場の有り方は変化を余儀なくされています。

 そんな中、市場の新しいかたちを見せて頂いたのが、「東京青果」の加藤宏一さんです。

 日本の青果物流通の中心、太田市場で卸売業者として働きながら、ラジオやテレビなどのメディアを通した情報発信もおこなう加藤さん。
 青果物の安定供給に限らず、旬や美味しい食べ方などを生活者に伝えるその姿は、縁遠く感じられた市場の存在を身近に感じさせてくれました。




第64回 森 由美子さん(フランス料理研究家)【2009年3月4日・3月18日掲載】

 さまざまな販路を通って流通する野菜や果物ですが、最終的にその多くは料理として私たちの口に入ります。

 料理を通して野菜の大切さをうったえるのは、フランス料理研究家の森由美子さん。既存のフランス料理とは一風違った、野菜をふんだんに用いる「マリアージュ・フレンチ」を生み出し、新しい食べ方・楽しみ方を提案しています。
 また自ら神奈川県・小田原の畑を持ち、東京都・南青山にある自身の料理教室の生徒さんを招いています。「畑は教室がある都市と畑が出会う場。 ここから生産者と消費者をつなげたい」と言った森さんの活動は、自分で採った野菜を食べる楽しみを多くの人に伝え、野菜と人がつながる場としても大きな役割を果たすことでしょう。




目線を変えれば生み出せる! 新しい価値の創造に注目


第50回後編 小川 浩徳さん(日光種苗株式会社)【2008年2月6日・2月20日掲載】

 日常生活とは接点があまりないけれど、青果物づくりの根本にある仕事。そこにスポットを当てるのも、この「野菜人・果物人」です。

 野菜の種子づくりや、多種多様な野菜を育種する種苗会社で働く小川浩徳さんは、いわば「縁の下の力持ちタイプ」と言えるかもしれません。
「既存商品の見せ方を変えれば、新商品になる」という小川さんの考えは、企業や人自体にも当てはまります。自社種苗の商品開発をおこないながら、地元農家や小学校で園芸アドバイザーとして講師を務める小川さん。

 育種した種を売るだけではない、育てる人たちと共に活動する姿は、自分自身の見せ方を変えたもの。まさに自らの言葉を体現しているようです。




第53回 高安和夫さん(銀座ミツバチプロジェクト)【2008年4月30日・5月14日掲載】

 私たちの農業のイメージとは一線を画した試みをおこなう「野菜人・果物人」もいます。銀座ミツバチプロジェクト理事長の高安和夫さんです。
 高安さんは東京都・銀座のビル群の屋上で養蜂をおこない、そのまま銀座でハチミツを販売・商品化し、大都会の中で地産地消を実践しました。
「国内で物を生産することがいかに大変か、実際生産現場を見て、知ってもらいたい」という気持ちでスタートした試みは、多くの人たちに受け入れられ、全国的にも有名になりました。

 銀座で農業という、私たちが考えもしなかったことを実現した高安さんは、現在同じく銀座で農業の担い手を育てています。その名も「銀座農業塾」。まだまだその挑戦は留まるところを知りません。



これからも続く、魅力的な「野菜人・果物人」探し

 いかがでしたか? 青果への携わり方にも、様々な方法があると驚いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 今回紹介した方々に限らず、「野菜人・果物人」で取り上げた方それぞれが「何を・誰が・どこで・どうやっておこなうか」に強いこだわりを持ち、今も挑戦をし続けています。活動の大小こそあれ、野菜・果物に対して熱い想いを持っている人物ばかりなのです。

 野菜・果物の持つ魅力を感じてもらえる、野菜・果物に将来携わりたいと思う人たちのヒントになる、魅力的な「野菜人・果物人」たち。私たちスタッフは引き続き彼らを追い続けます。これからも、どうぞご期待下さい!



文章:ジュニア野菜ソムリエ 橋本哲弥