野菜人・果物人
野菜人・果物人第82回後編 高山厚子さん(沖縄料理研究家)

第82回後編 高山厚子さん(沖縄料理研究家)

子供たちに伝えたい、知恵・文化・命の原点である「食」

●小学校校長の経験を生かして


高山厚子さん

ご職業 沖縄料理研究家
一般社団法人「沖縄食と健康のアイランド」代表
緑のカーテンの恵みの料理教室&講演活動
座右の銘 人生は愛とロマン

 窓辺にゴーヤーなどのつる性植物を育てることで、熱い夏を涼しく過ごす自然のクーラー「緑のカーテン」。この取り組みを料理と共に紹介している高山厚子さんは、日本全国から講演依頼がきて大忙しです。その人気の秘密は、太陽のような明るい性格と、高山さんの考案するゴーヤー料理がとても美味しくて評判だから。



小学校での緑のカーテンの授業

「小学校の校長だったころから、子供たちと校庭にある果物でジャムを作っていました。夏ミカンでマーマレードを作ったり、アンズやウメ、キウイフルーツもあったわね」

 子供たちの笑顔が浮かぶようなこの活動は「学校の森物語」という本にもなりました(現在は絶版)。このような教育現場での活動から、退職した現在も、緑のカーテンの話や親子料理教室などをしてほしいと小中高校から呼ばれることが多いのだそうです。



●子供たちの中に「緑のカーテン」の根っこを作る食育活動


小学校で取り組まれている緑のカーテン

大人用のゴーヤーサラダにも子どもたちは興味津々

 都内の小学校で行われた高山さんの「緑のカーテン」の授業では、植物の蒸散作用によって涼しくなること、地球環境にも優しいことなどを紹介していました。

 サプライズプレゼントとして高山さんが用意したゴーヤードーナッツに「食べたい!」と子供たちの目がきらきら輝きます。そして職員室の先生のために作ってきたゴーヤーサラダにも味見をしたいというリクエストが!

「大人用だから、少し苦いかもしれないわよ!」

高山さんの心配をよそに「おいしい! おいしい!」とおかわりする子もいました。

「大切に育て、知識を得、食べる。脳と食が結び付くことがいいんですね」

 子供たちは自分のゴーヤーに名前を付けたり、小さい子は一緒にお風呂に入りたがるほど大切にするのだそうです。そして作ったものを自分で食べることで、すべてを自分の体の中に取り入れていきます。

「食は知恵・文化・命の原点なんです。エコも命の原点。地球環境を守るのは未来を担うあなたたちなのよ。小さな身近にできること、それが緑のカーテンなんです」

一人ひとりに語りかける高山さんを子供たちはしっかりと見つめ返していました。



● 「愛とロマン」を語るには、まだまだ若い


子供たちに大人気のゴーヤードーナッツ

館林市で提案しているメニュー「ゴーヤーうどん」

 高山さんにこれからの活動についてうかがうと、ゴーヤーの産地である群馬県館林市の街おこしをすること、新しい本を執筆すること、食に関わる若い指導者を育てたいこと...たくさんの答えが返ってきました。

「子供を産んだ時は"子育ては愛とロマン"、教育現場にいた時は"教育は愛とロマン"、今は"人生は愛とロマン"と思っているの。でもね、人生について言うのは、私なんかまだまだ早すぎるんです。いつか、そう言えたらいいなと思っています」

 ご自分のことを"空飛ぶあっちゃん"という高山さん。思わず見とれてしまう魅力的な笑顔と共に、これからも日本全国を飛びまわって、緑のカーテンの輪や故郷沖縄の料理の輪を広げていくことでしょう。





空飛ぶ あっちゃんブログ(高山さんのブログ) ブログはこちら


文・撮影:野菜ソムリエ 霜村春菜
写真提供:高山厚子さん(ゴーヤーうどん)