第81回後編 野本一弘さん(有限会社葉っぱや 代表取締役)
キーワードは「癒し」&「イメージアップ」。水耕栽培キット開発に込める思いとは
●見て食べて楽しんで、心身ともに癒してもらいたい

有限会社葉っぱや 野本一弘さん
| ご職業 | 有限会社葉っぱや 代表取締役 |
| 座右の銘 | スピード なんとかなるさ |
野本さんは、苗をセットしてコンセントを挿すだけで、誰でも手軽に水耕栽培を楽しめるキット「葉っぱやガーデン」を開発しました。水やりは、肥料を含んだタンクの水がポンプで循環してくれるから、月1回の水交換と数回の補給でOK。LEDの青白い光が太陽の代わりとなるので、室内でも育てられます。

レストランに置かれた水耕栽培キット 葉っぱやガーデン
インテリアとして飲食店や癒される空間を必要としている医療関係などに、また、手軽に家庭菜園を楽しみたい人などにむけて販売を始めました。キットの考案者である野本さん曰く、
「仕事で忙しくしている独身女性にも、野菜を育てることの楽しさや、癒し効果を体験してもらいたい。そして、農業に少しでも親しみを感じてもらえたらいいですね」
野本さんが思い描く農家の理想形態は、海外視察で見た家族経営が主体のオランダの農家。農業が立ちいくためには家族経営が欠かせないと実感している野本さんの、農家の嫁へのラブコールが秘められているようです。
●若者よ夢を持とう!

管理されたハウス内で水耕栽培

ボックスを開くとブーケのように広がるブーケレタス
水耕栽培は、ハウス内で土を使わず液肥と水で育てるクリーンで安全な栽培法と言われています。虫が付きにくいため無農薬でも育てやすく、天候にも左右されにくいこともあり、工夫次第で自分の目指す農業のスタイルを確立することも可能です。そんな、ブーケレタスの魅力や人間味溢れる野本さんとの出会いをきっかけに、本社には、全国から若手社員が集まっています。
「農業ばかりの考え方では気づかないことも、余計な知識を持たない異業種から人材を得ることで、見えなかったことが見えたり、面白いアイデアが出てくることがあります」
社長としてはまだまだと自戒する野本さんですが、若手社員にいつも伝えているのが「夢を持て」ということ。夢の持てない職業に未来はない。ブーケレタスを通して安定した収入の仕組みを確立し、農家のイメージアップにつなげたいとその思いを社員に託します。そのための、社員教育や研修にも力を注いでいるのです。
「親父が僕にしてくれたように、ある程度の裁量を与え、農業で稼ぐ楽しさを教えたい。農業はやりがいのあるすてきな仕事だよと知ってもらいたい」と語ります。
●意識しているのは「スピード」

やっぱり作業服が似合う!
若い頃からスポーツで鍛えた野本さんは、骨太、頑健な体躯の持ち主。ただ、昨年は、大病を煩い手術と入院を経験されました。それだけに、時間をとても意識しはじめたといいます。自ら掲げる60才定年を実現するためにも、後を受け継ぐ人材の育成も急がれます。
「若い時に苦労するのはいい」と語る野本さんご自身も、その昔、亡き父の農園を継いでまもなく、液肥を供給するポンプの不具合から菌が繁殖し作物は全滅、農園倒産の危機に追い込まれました。
「25才にして味わったどん底の経験があるからこそ、今がある。何があっても『なんとかなるさ〜』と開き直ることができるようになりました」
定年後は隠居? と思いきや、「美味しい野菜や種などの貿易をやりたい」と血気盛ん。時間はいくらあっても足りません。できることからスピードアップで野本流農業道をまい進中です。
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写真提供:野本一弘さん(ブーケレタス商品) 撮影協力:プチレストラン「ルッコラ」






