野菜人・果物人
野菜人・果物人第66回前編 ながせ まさゆき さん(フルッティア代表) 

第66回前編 ながせ まさゆき さん(フルッティア代表) 

フルーツとの出会いは一期一会

果物屋で生まれ育ったフルーツ大好き人間


ながせ まさゆき さん(フルッティア代表)

ご職業 株式会社 ながせ フルッティア代表
座右の銘 笑う角には福来る
おいしくてニコニコ、たのしくてニコニコ

 ながせさんとの出会いは山形県内で行われた「果物に関する機能性成分」セミナーにて。最前列の中央に座り、必死にメモをとる姿が大変印象的でした。
 ながせさんは、山形県の中心部である天童市の生まれ。現在は果物店の三代目として稼業に従事しています。
 店名は「フルッティア」。フルーツコミュニケーターの意味を込めてネーミング。fruit(フルーツ)とtier(結びつける人)を組み合わせた造語なんだそうです。


店頭には常時3-40種の旬果実商品が並びます

パティシエである奥様のひろ子さん。オリジナルのスイーツを製作中

「私自信、果物によって多くの出会いを経験しました。果物は人と人とを結びつけるコミュニケーションツール。多くの方にフルーツで幸せになってもらいたい。そんな願いをこめネーミングしました」

お店で扱うのはながせさん自信が、目で見て厳選した季節の果物。常時3〜40種類の旬果物商品が顔を揃えます。

その果実を材料にパティシエである奥様のひろ子さんが腕をふるい、オリジナルのスイーツを製作しています。

「祖父の代では野菜や果物をメインに。父の代では缶詰やジュースの原料となるサクランボやワイン用のブドウなど、生だけじゃなく加工用まで広く果物を扱っていました。子供のころから果物のある生活が当たり前だったので、自分も将来は果実業につくのが当たり前と思っていました」

 学生の頃からも八百屋でアルバイトを経験し、都内の果実専門店では1年間修行を積みました。
「山形を離れてみて、果物を見る目が大きく変わりました。まず東京では地元では見られないフルーツが多いし値段も違います。こんなにたくさんあるにも係わらず、実際にフルーツを楽しむ人は減っている。山形にいる頃にあふれる様に食べていた果物は、実はとても貴重なものだって気づきました」

 修行の中で体感した数々のギャップの中から、ながせさんが導きだした答えは、「山形に帰って、フルーツの素晴らしさを全国に広めたい!」との思いでした。



フルーツ好きを増やすために


オーダーフルーツケーキ

「多くのフルーツがあるのに、出会わずに終わってしまうのはフルーツにも、人間にとってももったいない」

 そこでながせさんが奥様と一緒に始めたのが、「フルーツ復興プロジェクト」。
 フルーツを育てる人、贈る人、味わう人、学ぶ人・・・・。そんなフルーツとの出会いは一期一会。品種や産地、お天気も作る人も、表情も風味もそれぞれに個性的。そんなフルーツとの出会いを楽しみフルーツ好きを増やすプロジェクトです。

「店舗で販売するだけでは魅力は伝わりません。インターネットで情報を提供したり、フルーツを使った食育事業を展開したり、さらに手作りスイーツの販売と、いろんな出会いとフルーツをテーマに提供しています」



フルーツが運んできた幸せ


フルーツポンチッチドリーム

 実はながせさん自信も、フルーツによってかけがえのない出会いを経験されています。

「Uターンし小売店舗を構えた時に、地元でお菓子作り教室を主宰してた妻と出会いました」

 フルーツでのお菓子作りを得意としていた奥様との出会いは、まさにフルーツが結んだご縁。フレッシュジュースとお菓子の販売など、互いの得意分野を活かした商品のアイデアが次々に浮かんできたそうです。

そんな中から生まれたのが大人気の「フルーツポンチッチ」


 カットしたフルーツを特製のシロップに漬け込んだもので、大瓶の「ドリーム」は実に20種類の果物がギッシリと詰まっています。

「このシロップはパティシエでもある妻が作りました。無添加、無着色なので、瓶の中でフルーツが生きていて味も、香りも変化するんです。特に桃は酸化し味が変わるので、一番下に沈めて空気に触れないようにしています」

 日によって風味の変化も楽しめるとあり、店舗ではもちろんネット販売でも大人気で、 全国から注文が届くそうです。


静岡産マスクメロン、山形産ラ・フランス、栃木産とちおとめなど 季節の果物が20種類も入っています

 私も早速いただきました!蓋をはずすとフワ〜っと広がる華やかな香り。キウイにイチゴにパイナップル。見た目にもカラフルでワクワクします。
 シロップというとどうしても濃厚な甘みをイメージしがちですが、さらっとしたシロップはフルーツの甘みを引き立てていて、その中でフルーツがしっかりと個性を発揮しています。

 漬かっているのではなく、中で「生きている」フルーツの新鮮さ、完熟度が味わえ、「おいしい」と思わず笑みがこぼれます。食べた人が笑顔になり、フルーツでハッピーになる。これこそがながせさんがやりたかった、フルーツと人との結びつきなのです。

※<後編>ながせさんが取り組む「フルーツ好きをとことん増やすプロジェクト」をご紹介します。



フルッティア ホームページはこちら

文章:野菜ソムリエ 香月りさ
写真提供:ながせ まさゆきさん