「和食ではんなり」by和食マイスター養成講座

2018年4月27日

季節の訪れ~春~vol. 2〈筍(たけのこ)〉

 筍は、「堀り始めたら湯をわかせ」と昔から言い伝えられています。それは、筍は掘った時点から甘みがアクへと変化し、時間の経過とともに強くなるためです。掘りたての筍をその場でいただくのなら別ですが、購入したらすぐに下茹でしてアクを抜きましょう。


 筍はアクが強く、えぐ味があります。アク抜きは、筍を食す上でとても大切なことです。


 「アク」とは、食物に含まれるえぐ味や苦味といった不快で、不要な成分のことです。アクはない方が良いのですが、アクを全部除去すると、素材本来の風味を損なう場合があります。また、一部のアクの成分(ポリフェノール等)には、身体に有効とされる成分もあるので、全てが害というわけではありません。また、「えぐ味」とは、味覚神経を収斂(しゅうれん)されることによる刺激で生まれる、渋みや苦味のことで、主に山菜等によく認められるものです。(※1)


 それでは、筍に含まれるアクの主成分とは、一体何なのでしょうか。


 筍のアクの主成分は、シュウ酸とホモゲンチジン酸といわれ、特に先端部に多く含まれています。(※2、※3)


 筍のアク抜きについては


(1)米糠を入れた水で茹でる...水2Lに対して、「米糠」はカップ1程度。「鷹の爪」は2、3本。シュウ酸やホモゲンチジン酸は水に溶けやすいため。「米糠」はコロイド状デンプンによるアクの吸着(※3)、「鷹の爪」は、えぐ味を殺す(辛みでえぐ味を感じにくくさせる)ため、またアクとは関係なく日持ちを良くさせる目的とも言われています。(※1、※2)


(2)米のとぎ汁で茹でる...「生米」で代用してもよいでしょう。この場合、水2Lに対して生米は、一掴み。


(3)重曹を入れた水で茹でる...山菜のアク抜きで使う「重曹」は、吹きこぼれもなく簡単ですが、アクが抜けすぎてしまい、筍の風味を損なう場合があるので茹でる時に注意が必要です。筍の風味を残すのなら、米のとぎ汁か米糠を使うことをオススメします。(※1)


など、いろいろな方法が知られています。


 また、『家庭でできる食通の喜ぶ珍料理 虎の巻』(服部公威著 服部式割烹講習会出版部、大正6年発行)によると、昆布を使って茹でる方法を紹介しています。(※3)


 筍のアク抜きは、アクの濃度を薄めることが目的ですので、とにかくたっぷりの水で茹でる必要があります。もしアク抜きが充分でないと思ったら、また茹でればいいだけのこと。10分茹でて冷ますと茹で汁にアクが出ます。気になるようなら水を替えながら、これを繰り返すだけでOKです。ただ、アク抜きと筍の風味はトレードオフの関係にあるので、あまりアクを抜きすぎると筍の風味も流出してしまいます。(※3)


 春の到来を感じさせる筍。上手にアク抜きをして、春の味覚を楽しみましょう。


 因みに、アク抜きは食材の香りが弱くなってしまうため、中国ではアク抜きの習慣がなく、調理法でごまかすようです。例えば、細かく切って油で炒め、油によって苦味やえぐ味が舌の味蕾に触れにくくしたり(卵とじでも同じ効果があります。)、辛味をつけ、苦味やえぐ味を感じさせにくくする、などがあります。(※2)



参考文献


※1 「これからが旬の"たけのこ"。上手にアク抜きして美味しくいただきましょう」

   https://kinarino.jp 

   2017年05月02日更新


※2 竹の子灰汁ーDTI 

   www.uranus.dti.ne.jp 


※3 「タケノコのあく抜き考察」

   TravelingFoodLab. 

   2018/3/29 09:27



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浪川美穂




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