「和食ではんなり」by和食マイスター養成講座

2015年8月28日

夏の台所

記録的な猛暑の今年の夏。
このブログが掲載するころには暑さもひと段落しているのでしょうか。

執筆している今は、夏休みでちょうどお盆の時期ですが、
子供のころの夏休みの記憶の一つに、長野の祖父母の家の台所で、
祖母や母が朝から忙しなくご飯を用意する音と、"夕顔"のお味噌汁があります。
トロっととろける夕顔のお味噌汁を上あごをヤケドしそうになりながら
ふうふう言って食べるのが美味しいのです。夕顔はスーパーなどで見かける
"冬瓜"とともにキュウリやスイカと同じウリ科に属していますが、
この二つは似ているようで実は異なる野菜です。

冬瓜は、夏の野菜にもかかわらず「冬」の字がついているのは、
切らずに丸ごと冷暗所に置けば、冬まで保存できることからつけられたといわれています。一方、夕顔は夏の夕方に開いた白い花が、 翌日の午前中にしぼんでしまうことからその名がつけられたといわれており、生産地以外であまり巷に出回らないようです。冬瓜より食感が柔らかく、干したものは乾瓢のもとにもなります。
どちらも果肉の水分が多いので、汁物や煮物、あんかけなどに適しています。
暑さの厳しい香港では冬瓜のスープは夏の定番で、漢方でいうところのいわゆる
涼性の食べ物とされ、体の余分な熱や水分を取り除き、また、胃腸の調子を高める効能があるそうです。その他にも、水分を補給する効能もあり、喉の渇き、
汗をかいた後に良く、暑い夏にピッタリの野菜です。

150828-01.jpg
夕顔のお味噌汁

もう一つはお盆のお供え用の天ぷら。
ナス、かぼちゃ、ピーマン、サツマイモなど野菜中心のもので、
揚げたてはもちろん、仏様のおさがりの冷めたものにお醤油をかけて食べるのも
また美味しいのです。このお盆に天ぷらですが、どうもこれは信州や東北の方の
風習らしい...という話を聞いてびっくりしました。お盆の料理は地域によって実にさまざまで、時代とともに形を変えつつありますが、その多くは精進料理から由来したものが多いようです。

精進料理といえば、穀物・野菜・豆類・海藻類など植物性の食材のみを使って作る食事と理解され、出汁に使われる食材は、昆布、干ししいたけ、かんぴょう、切り干し大根、高野豆腐などで、この出汁をベースに、大豆などのタンパク質や、ゴマ・クルミ・植物油などの脂肪、季節の野菜を組み合わせ、各家庭で創意工夫を凝らした精進料理を作っていたそうです。
お盆に赤飯や稲荷ずし、煮物、酢の物や和え物、野菜の天ぷらなどを食べた記憶がある人も多いのではと思います。
(余談ですが...お盆のお供え団子やそうめんと並んでお中元のカルピス詰め合わせも忘れない記憶のひとつ。水玉の包装紙に包まれた茶色い瓶詰のもので、とりわけオレンジカルピスは、もうそれは憧れの存在だったのです。)

先日、長野の田舎から自家農園の夏野菜をたっぷりもらいました。
帰京した頃はちょうど真夏日記録更新中。新鮮なうちに無駄なく美味しくいただきたい一心で意を決して台所に立ち、大量のズッキーニ、パプリカ、ジャガイモ、
ナスなどを調理しました。
夏の台所は暑いので、火を使う料理は避けてしまいがちですが、
(今年はデパ地下のお惣菜の売り上げがアップしているとか)
夏場に敢えて頑張って台所に立ち揚げ物をする、美味しいものをいただくには
それなりの努力が必要ですね。

150828-02.jpg
採れたての夏野菜


ジュニア和食マイスター
宮田麻子

*~*~*~*~*~*~*~*
和食マイスター養成講座
http://washoku-m.jp/
*~*~*~*~*~*~*~*

<< 前のページへ  |  ホーム  |  次のページへ >>

最近の記事

カテゴリー

月間アーカイブ

このサイトのRSSを購読