ベジフルライフ・ストーリー〜野菜ソムリエの活躍〜

白木 浩二さん(野菜ソムリエ)

生まれ育った地元・北九州を、「工業の町」から、「食の町」へ!

●26歳で野菜ソムリエに、29歳でコミュニティの代表に就任


アクティブ野菜ソムリエ・白木浩二さん

「野菜ソムリエコミュニティ福岡」が、平成22年度JA福岡市「農業・地域協同活動支援基金」表彰団体に選ばれた際は、代表として表彰状授与式に出席

 「『なんをしちょんかね?』と聞かれることが、自分らしさ」と笑うのは、福岡県在住の野菜ソムリエ・白木浩二さん。出会う人出会う人に、「あなたは何屋さん?」と不思議がられるほど、白木さんの縦横無尽な活躍は、地元の方の目にしっかりと印象づけられています。「食」という分野にどっしり腰を置き筋を通す姿は、さすが九州男児。興味の分野には軽やかに駆け寄っていく姿には、まだ30歳という若さを感じます。

白木さんの活躍を語る上で、まず外せないのが、2010年に29歳の若さで「野菜ソムリエコミュニティ福岡」の代表に就任したこと。大抜擢という感もありますが、コミュニティには発足間もない初期時代から在籍。その活動歴の長さ・功績を知れば、それも当然、誰もが納得の若きリーダーの誕生です。

「参加当時は、世間でもまだ野菜ソムリエの認知度は低く、自分自身、何のツテも経験もない中のスタート。まずは自分の地元・北九州市を中心に、活動の手掛かりを探る日々でした。地元の朝市に出かけては農家さんと交流し、インターネットで面白い農家さんを見つけては車を飛ばしていましたね」と、振り返ります。

それは、まさに「飛び込み営業の白木」といった活躍!その甲斐あって、福岡でも大きな規模を誇るイベントへ食のブースを出展するなど、地元メディアで野菜ソムリエが取り上げられる機会作りにも成功。徐々に、福岡全体の野菜ソムリエ活動を支えるキーパーソンへと存在感を発揮していきました。



●店舗の立ち上げに参加、八百屋さんとして地元野菜を紹介!


地元のFMラジオ局が中心となり開催された「北九州特産品の旨い店公開講座」では、市役所やJAの職員とともにパネリストとして参加

「2年間の八百屋勤務も、何でも屋の僕の顔でしたね」と話す、白木さん。実は大学では経済を専攻、卒業後間もなく、「食への興味」から野菜ソムリエを受講した白木さんにとって、「食」と「仕事」は当初は接点を持たないものでした。しかし、活動が広がるにつれ生まれたご縁は、白木さんの人生をまた面白くさせていきます。

「28歳の時、『野菜の宅配をしたい。流通を手伝ってくれないか?』と声がかかったんです。二つ返事でしたが、立ち上げに参加する中で、あれよあれよと店舗を構える話も持ち上がり・・・。気づけば、八百屋のお兄ちゃんになっていました」と笑います。

もちろん「ただの八百屋にはしない」と決心する中、掲げたテーマは「地元の野菜」。毎日、農家へ朝採り野菜を仕入れに行き、地元産で賄えない野菜だけ市場へ...。コミュニティの活動と八百屋の店員で、1年365日「農業・野菜」と接する生活を送るようになり、農家や市場、飲食店、それに起業家との交流も広がっていくことになりました。

●「北九州を食のイメージの町に!」という想いの下、独立も決意


かつお菜(鰹菜)は、その字のごとく鰹のお出汁のような風味が特徴。福岡でも、お雑煮でしか食卓に上がる機会がない中、コミュニティをあげて、かつお菜を応援!

ラーメン店とのコラボで誕生した左のラーメンは、かつお菜入り。食材は野菜のみと言う右のラーメンは冬瓜スープが特徴。各野菜に異なる味付けというこだわり!

名刺には誇らしく、自らの屋号に命名した「門司庚(もじかのえ)」のロゴマークが。「北九州の門司港」と「庚=植物が育つ時間」の意味を掛け合わせた屋号です

白木さんの地元・北九州市は言わずと知れた、九州における貿易の玄関口。明治時代、外国船が行き交った港町は、今もレトロな景観を残す観光都市でもあります。

「確かに、北九州にはそのような良いイメージがありますが、食に携わる一人として感じるのは、やはり日本四大工業地帯の一つというイメージが大きいこと。地元の人ですら、市内で野菜が栽培されていることを知らない人もいるほどです」

現実を知るにつれ、確固たるものとして芽生えたのが、「そのイメージを変えたい!食で北九州をもっと魅力的な町へ変えたい!」という想い。実は、無類のラーメン好きとしても有名な白木さんは、この2年間で2回、野菜とラーメンのコラボメニューを企画。福岡の伝統野菜『かつお菜』を使ったメニューでご当地ラーメンも生み出しました。

そして今年に入り、地元を意識した白木さんの活動は、更に加速中!「八百屋をやり切った」という感触を抱きながら、独立を決意。新たな挑戦に突入です。

「土作りの専門家である経営パートナーが、自然素材だけで作った肥料を作り、自分はその肥料で野菜を作ってくださる生産者の拡大と、収穫された野菜を流通していく営業全般を担当していきます。昨年から、土のサンプルと野菜を関東の企業へ紹介し、既に有名な野菜のネット販売会社や飲食店などとの取引が決まっているんですよ」

野菜は常時10種類は出荷できるようにすることが目標とか。もちろん、かつお菜も全国にアピールしていきたいと意気込みます。

「福岡、そして北九州発の『食』を、全国に広めたい。そして、工業の町から食の町へ・・・、地元を活性化させていきたいです!」




○Shining food
http://cozykoji.jugem.jp/

文:野菜ソムリエ 神林春美
写真提供:白木浩二さん