30,000人のベジフルライフ〜野菜ソムリエの活躍〜
30,000人のベジフルライフ〜野菜ソムリエの活躍〜大平 恭子さん(シニア野菜ソムリエ)

大平 恭子さん(シニア野菜ソムリエ)

岩手の食資源をサポート! シニア野菜ソムリエとして食と農の連携を目指す

●売り方、食べ方、人づくりをテーマに活動


シニア野菜ソムリエ 大平 恭子さん

 岩手県を中心に活躍するシニア野菜ソムリエの大平恭子さんは、ご自身で立ち上げた「ブランドストーリー」の代表を務めながら、フード&マーケティングプロデューサーとして岩手県の食資源を活用した商品やブランドの開発に大きく貢献しています。

 「ブランドストーリー」の事業テーマは『売り方(伝え方)』『食べ方』『人づくり』を軸にしたブランド・コミュニケーション。彼女の事業がクライアントから熱い信頼を得ている理由の中に、彼女がシニア野菜ソムリエとしての見識を生かしているということがあげられます。
 たとえばマーケティング視点で産地・農産物を理解し、レシピ開発からPRまでプロデュースできること。つまり「食」と「農」の連携をトータルで実践できることが彼女の一番の強みなのです。


プロデュースだけでなく司会もつとめた「地産地消応援企画 いわて鮭・旬メニュー発表会」

 活動は野菜・果物にとどまらず「食」全般に広まっています。最近では、岩手の魚である「鮭」の消費拡大を目的として、メーカー・団体・行政のコラボレーションの取り組みをプロデュース。11月11日の鮭の日にちなんだイベント「地産地消応援企画〜いわての鮭・旬メニュー発表会」では、『南部さけ』と野菜がたっぷり入った「いわての鮭と野菜たっぷりシチュー」の発表もしました。
 また岩手県が日本一の生産量を誇るヤマブドウのイベント「山ぶどうサミット in くずまき」においては、消費者向けレシピ開発だけでなく、ミニレクチャーとPRも行ったのだそうです。

「実際に料理講習会のお話を年に何回かいただきますが、生活者対象というよりは、生産者・栄養士・給食従事者などを対象としたもので、シニア野菜ソムリエとしての切り口で、その道の専門家が気付きを得たり、今後の活動に応用できるような内容を心がけています」

 料理に関わる仕事が多い大平さんは、岩手を応援するサイト「岩手さん.com」や地域情報誌への定期的な執筆も含め、レシピ作成が一か月に20件になることもあるそうです。



●シニア野菜ソムリエは私の職業


「山ぶどうサミットinくずまき」に開発した「お手軽バナナココアケーキ 山ブドウ風味」

「山ぶどうサミットinくずまき」に開発した「リンゴと山ブドウの旬コンポート」

 大平さんが野菜ソムリエを知ったのは、当協会理事長の「野菜ソムリエのおいしい経営学」を読んだことがきっかけでした。それまでマーケティング・コミュニケーションの分野で仕事をしていた彼女は「農業のマーケティング」を考えたことがなく、もしかしたら企画書の参考になるかもしれないと、2006年にジュニア野菜ソムリエコースを受講。

「最初は軽い気持ちで受けましたが、最初のベジフル・コミュニケーションの授業から目からウロコの内容でした。野菜・果物とコミュニケーションするという何とも感性あふれる素敵な世界に魅せられ、一気に中級の野菜ソムリエコースまで受講したのです」

 野菜ソムリエの資格を取得後は、カルチャーセンターの講師や講演会等の活動をしていた大平さんですが、自分の事業の将来像と「現状の野菜ソムリエ像」が合致せず、暗中模索する時期を経験しました。

「これは本来自分がしたいことなのか? という違和感がありました。そのために『自分が目指す(=潜在的に望んでいる)野菜ソムリエ像が見つかるかも』という期待から、シニア野菜ソムリエコースを受講したのです」

 シニアの受講をきっかけに「食」と「農」の連携の中で、自分の独自の立ち位置を作る可能性を見い出した大平さん。彼女はもはや、シニア野菜ソムリエが職業になっているという感覚なのだそうです。



●現場を大切にして、岩手の食資源をプロデュース


大平さんの畑で採れた夏野菜「今年は立派なゴーヤーがとれました」

 シニア野菜ソムリエを職業の一部とし、多忙な毎日を過ごしている大平さんですが、休みの日には、農家さんから借りている畑で『野菜を育てて食べる』という楽しみを味わっているのだそう。「今年の猛暑で北の地・岩手でもゴーヤが大豊作」と楽しそうに話しながらも、

「趣味としての野菜づくりは楽しくても、商品としての野菜・果物づくりは非常に大変です。誰もが納得する野菜づくりはプロの仕事であり、それをきちんと伝える使 命と責任を再認識する機会となりました」

と続けた彼女。農業の現場を知ることも大切にしている様子が伝わってきます。


今年8月末に行われた岩手初のアカデミックレストラン「ゆるベジ気分でビューティーUp!」

 2010年5月から、岩手の農や食を知り、楽しむプロジェクト「いわてフーディング・ラボ」なども手掛けている大平さんに将来のことを伺いました。

「すでに取り組みを始めていますが、自分の強みを生かして、岩手の野菜・果物はもちろんのこと、いろんな食資源を活用した商品・サービスの魅力向上や付加価値化をプロデュースして、地域活性と産業振興に貢献していきたいです」

 ハキハキと答える大平さんに迷いは感じられません。彼女はこれからも地元岩手を愛し、そこに関わる人たちに信頼と愛着をもちながら、その魅力をさらに磨いて日本中に発信していくことでしょう。





○シニア野菜ソムリエ大平恭子による
食のトータルプロデュース【ブランドストーリー】
http://www.brandstory.jp/


文:野菜ソムリエ 霜村春菜
写真提供:大平恭子さん