竹下 清さん(シニア野菜ソムリエ)
食と平和の語り部として、真の世界平和に貢献したい
●あいがたくして、野菜ソムリエにあう

シニア野菜ソムリエ 竹下清さん
竹下清さんは1931年生まれ、現在79歳の最高齢シニア野菜ソムリエです。その授賞式の日、資格を取得した感動を素直な言葉で表現する姿に、会場にいた多くの人が心を動かされ、竹下さんの周りにはたくさんの人が集まっていました。
竹下さんがジュニア野菜ソムリエになったのは2005年のこと。地元福井県の隣県で、初めて野菜ソムリエの講座が開講すると新聞で見かけたのがきっかけでした。
「当時私はJAの仕事をしておりまして、福井市農協職員の健康調査をしたときに、若い人ほど生活習慣病が多いという現実に"これはどういうことか!"と思いました。この若い人たちが自分の年齢に達したときのことを考えると、非常に不安や危機感を覚えたのです」

小学校の食育授業
そんな時に野菜ソムリエを知って、これだ!と予感が走ったという竹下さんは、受講することによって得た知識や感動を自分一人のものにしておけず、たくさんの人に話したのだそうです。
「ジュニア野菜ソムリエになった直後から、野菜ソムリエのことをもっと聞きたいという講演依頼がたくさん来るようになりまして、自分ももっと勉強したいと思うようになりました」
●体、心、そして社会の健康を目指す活動

福井の農村活性化検討会において食のサポータに講演
「生きることは学ぶこと、学ぶことはよりよく生きること」がモットーである竹下さんは、学んだことを講演活動という形で精力的に発信し続けています。
講演内容は小学生向けの食育から、高齢者向けの健康の話など、とても幅広いもの。それがまた評判となって次の講演依頼がきたり、新聞などの取材をうけることが多いのだそうです。
「日本が長寿国となったのは、日本食の栄養バランスが世界でも一番というほどよいからです」
生活習慣病を予防し充実した生活を送る素晴らしさを力説する竹下さんの姿そのものに説得力があります。

福井伝統野菜「河内赤カブ」の収穫

現在も焼畑栽培で作られている福井伝統野菜の河内赤カブ
また講演の中で紹介する機会も多いという地元福井の伝統野菜に関しても、今とても興味があるとのこと。
「40年前に消滅した新保ナスや、赤カブなどを畑に植える活動を応援しています。またそれにつなげて、野菜ソムリエの我が同胞の活動を支援したいという思いから、野菜ソムリエコミュニティ福井の活動として、伝統野菜のレシピ作りやPRを提案しています」
伝統野菜の活動は始まったばかりとのことですが、生活者の評判も良くマスコミが関心を持って取材にきてくれたと、竹下さんはうれしそうに語っていました。
●真の世界平和につなげていきたい
伝統野菜市に参加する竹下さん
「年齢、性別、職業を問わず同じ目線で対等に話せることが、野菜ソムリエという開かれた社会であり、良いところだと思います」
仲間の活動を応援していきたいと熱くおっしゃる竹下さんに、ご自身の夢をうかがいました。
「野菜ソムリエの勉強を通して、体と心の健康だけでなく社会の健康がそろってはじめて、本当の健康、真の世界平和になると気がつきました。
私は昭和一桁世代ですから戦争や福井地震も経験しましたが、人為災害である戦争は悲しみを呼ぶだけです。なぜ、自分たちの意思で壊すのか!なぜ殺しあわねばならぬのか! そして亡くなった8〜9割の人は飢え死にであったという悲惨な食の問題が戦争にはあるのです」

「挑戦はこの年からでも遅くない」とシニア野菜ソムリエ授賞式で語る竹下さん
食に関する情報を発信しながら真の世界平和につなげていきたいという竹下さんのお話は「全ての生きとし生けるものを大切にしていきたい」という大きな優しさにあふれています。
戦争や福井地震というご自身の経験から、日々「生きさせていただいている自分」を強く意識するという竹下さん。その深い思いから生まれてくる言葉の一つ一つは、これからも多くの人の心に響き、大きな感動をもたらしていくことでしょう。
文:野菜ソムリエ 霜村春菜
写真提供:竹下清さん






