30,000人のベジフルライフ〜野菜ソムリエの活躍〜
30,000人のベジフルライフ〜野菜ソムリエの活躍〜太田 奈穂さん(シニア野菜ソムリエ)

太田 奈穂さん(シニア野菜ソムリエ)

夢は「畑と食卓を繋ぐ」コミュニケーションスペースの実現

●果樹園の役に立ちたいという思いを叶えるために


シニア野菜ソムリエ 太田奈穂さん

「初夏にはスモモが出始めます。夏から秋にかけてはブドウ、冬はリンゴと、四季を通して、長野らしい果物が、うちの果樹園に実をつけますよ」。

「フルーツで、町を盛り上げよう!」が合言葉ともなっている、長野県須坂市は、古くからの果樹農家が多い地域。長野県でシニア野菜ソムリエ第一号となった太田奈穂さんも、果樹園農家の長男と結婚し「農家のお嫁さん」となった一人です。

「結婚当初は、主人の両親の理解が深かったこともあり、その立場にも、今ほどの意識ではなかった気がします。結婚後も、フリーアナウンサーの仕事がライフワークとなっていました」。


太田農園にて。ご主人のご両親とご主人が育てた葡萄にともに、笑顔の太田さん。

 一方、ご主人は、結婚を機に、会社員から農業の道へ。長野県農業大学校に通い、農業の勉強に取り組む姿を一番身近で見守る中、「私も果樹園の役に立ちたいなと、自然に思い始めるようなりました」と言います。

そして、その想いを形にするため、太田さんが選んだのが、野菜ソムリエの道。2006年に長野で初めての「ジュニア野菜ソムリエコース」を受講。2007年に中級コースの「野菜ソムリエコース」を受講し、翌年には合格を果たします。



●活躍が広がったからこそ見えた「長野初のシニア野菜ソムリエ」への道。


『野菜ソムリエnahoがご案内するベジフルッ!』のTV取材で、ルバーブ畑へ

カルチャーセンターでの野菜料理教室のポイントは「簡単!たくさん野菜が摂れる!彩りもキレイ!」

「野菜ソムリエの資格を取得した頃から、資格を活かした仕事も広がってきました」

と話す太田さん。地元ラジオでは、野菜のワンポイントレッスンコーナーを担当。新聞にも、野菜ソムリエ・太田さんの取材記事が掲載され、カルチャーセンターでの講師や須坂フルーツスイーツ王国プロジェクトのアドバイザーや司会など仕事の依頼も増えていったそうです。

しかし、順調に歩み始めた一方で、自分へのもどかしさを感じ始めたのも、この頃。

「農家さんへ取材に行く機会も増え、もっと勉強しなければ、仕事を依頼してくださる方にも、もっと期待に応えなければと。そこで、長野県第一号のシニア野菜ソムリエを目指すことを決めました」。

 当初は、長野と東京の往復、仕事と家事の両立の大変さを思い、ご主人はあまり賛成ではない様子だったとか。しかし、そこはやはり、奥さんの更なる活躍を思い浮かべたのでしょう。

「『テレビで奥さん見たよ〜』なんて言われることを、それはそれで喜んでいて。最終的に、『いいよ』と言ってくれ、その一言は、自分を認めてくれた気がして、嬉しかったですね」



●太田農園に、料理教室やカフェを作りたい!

「シニア野菜ソムリエ太田奈穂プロデュース」と書かれた太田農園のりんごジャム


「周りのブースの方との情報交換も毎日面白いです!」と、出店したブースにて

 約半年間、東京の講座に通学し課題を作成する、合格へ向けひたむきな日々を送る中で、「"自分らしさ"の再確認ができたことが、大きな出来事でした」と振り返る太田さん。

「アナウンサーという職業、果樹園農家の嫁という立場。そして、そこにシニア野菜ソムリエの肩書きも加わったら...。これは、他の方では簡単に真似できない最大の"私らしさ"になるだろうし、都会の方ではできない活動ができると自信が持てました!」

そして、最終的なビジョンを、「太田農園にコミュニケーションスペースを作ること」とし、具体的な事業計画を、A4版30枚の論文に書き上げたそうです。

「私がイメージするのは、農園の中に、カフェがありお料理教室もあり、来てくれた方が、収穫したものをすぐにその場で食べている風景なんです」

 そして2009年の12月、ついにシニア野菜ソムリエの合格証書を手に。合格後は、「野菜ソムリエコミュニティながの」の代表にも選ばれました。また今年6月には、新宿の百貨店で開催された食のイベントにおいて、「野菜ソムリエお薦めブース」に、太田農園が出展しました。

 農園のフルーツで作ったジュースやジャムを、都会の方に知っていただく初めての機会ということで、太田さんもマーケティングの授業を思い出しながら、パッケージやパンフレット作りのアドバイスをしたと言います。
「ずっと果樹農園をしてきた家に嫁にきて、私にとって初めて資格を活かして、農園の役に立てる機会。家族で一緒に同じ仕事をできることが、とても嬉しいです」

飾り立てないまっすぐさと家族を大切に思う太田さんなら、きっと、思い描く農園の実現を叶えていくのでしょう。





○ホームページ シニア野菜ソムリエnahoのベジフルサロン'mahalo'
http://naho.naganoblog.jp/

文:野菜ソムリエ 神林春美
写真提供:太田奈穂さん 撮影:神林春美(出店したブースにて)