ベジフルライフ・ストーリー〜野菜ソムリエの活躍〜
ベジフルライフ・ストーリー〜野菜ソムリエの活躍〜江草 聡美さん(シニア野菜ソムリエ)

江草 聡美さん(シニア野菜ソムリエ)

食を中心に据えた「人づくり・地域づくり」の体現者 江草聡美さん

●自身と子供のアトピーがきっかけで野菜ソムリエに


シニア野菜ソムリエ 江草聡美さん

 現在はシニア野菜ソムリエとして精力的に活躍される江草さん。しかし、以前はご自身とお子さんの激しいアトピー性皮膚炎に悩まされていた時期がありました。
 江草さんが食の大切さに気づいたのは、意外にも育児休暇中に滞在していたアメリカでの生活。現地のドクターにすすめられ、チンゲンサイ・タマネギ・キャベツなどの野菜を積極的に摂取する「代替治療」を実践した結果、からだの調子がよくなったのです。

「このままじゃいけない!」
 アメリカでの経験から、帰国後は衣食住を根本的に見直すことで薬に依存しない生活を送ることを決意し退職。食のアプローチとして野菜ソムリエの資格を取得しました。
 ちなみに現在では江草さんとお子さん、ともに症状が和らぎ、薬いらずの健康的な生活をおくられています。

●どんな経験も生かし、広がる活動範囲


番組担当時レンコン畑にて。取材時の写真は1000枚以上に及びます

 江草さんは元山陽放送のアナウンサー。その経験を活かし、野菜ソムリエの資格取得後は岡山県内の農産地を取材する「旬を食す〜野菜ソムリエが伝える食材四季彩彩〜」というご自身の番組を3年間担当しました。
 そこで得た経験や取材写真をもとに、現在は幼稚園・小学校などでの食育、公民館・企業で行われるセミナー講師として講演をされています。
 またアトピーの経験を活かし「美容」に関するセミナーで話をすることも。

「人生無駄なものは何一つないと思います。誤ったダイエットに単を発したアトピーの経験があってこその今ですから。だからこそ『美』は健康の上に成り立っていて、その根源にあるのは『食』であることを伝えたいのです」


後期高齢者のシンポジウムにて。医療費削減も食と結び付きます

 中心となる講演活動の一方で、岡山産農産物のPR活動や、農林水産省「食料・農業・農村政策審議会」果樹部会の臨時審議員も務めている江草さん。生活者の代表としての立場からの農政へのアプローチをされています。
 さらに国の未来を考える人材づくりを行う松下政経塾の姉妹校「岡山政経塾」を昨年に修了。地域の広報や行政への提言、異業種の方々との交わりを積極的に広げています。

 また江草さんはジュニア野菜ソムリエ講座でベジフルコミュニケーションの講師も担当。
「食品の価値を伝えるコミュニケーションがおろそかになっている」という江草さんは、伝えることの重要性をこれからも多くの人に説いていくと語ります。

●岡山発の人づくり、地域づくり、国づくり


銀座三越の岡山県アンテナショップ「岡山屋」にて農産物のPR

 「今は、『食育を行う』ことが目的になってしまっていることが多く、『食育を行うことでどういう人をつくっていくのか、どんな地域をつくっていくのか』というビジョンが明確ではありません。福井理事長の言葉をお借りするならば『ゴール設定の明確な食育』が早急に必要です」

 そう語る江草さんの理念は明確です。それは「食を大切にすることで地域づくり・人づくりに貢献すること」。その具体策の第一歩として岡山県内で食育のネットワークを作り、食育まで手が回らない教育現場のアシストをすることを目指しています。



JAの地産地消推進のため、食育講師として小学校を訪問。

 そのためにまずは活動を通して広い人脈を培うこと、多くの実績をつくることが今は重要とのこと。食から起こす人と地域づくりという目的を目指し、まい進する江草さん。しかしそのゴール地点はもっと先にありました。

「私は『地産地消』の根源には『食の安全保障』が、『食育』の大元には『国家』があると考えています。食を中心に据えて、教育・農業・健康・環境の観覧車を回していくことが『地域をつくっていく』ひいては『国をつくっていく』ことにつながると思うのです」

 江草さんが起こす岡山発「『食』からの地域づくり」。その小さな波紋が全国各地に広がり、やがて大きな波となり私たちのもとに伝わってくるかもしれません。

文章:ジュニア野菜ソムリエ 橋本哲弥
写真提供:江草聡美さん