よつばちゃんの食を楽しむ取材ノート。

2014年11月 5日

西日本一の生産地、鳥取県の長いも「ねばりっこ」に迫る!(前編)

生のまま切るとシャキシャキ、おろしてトロリ、加熱すればホクホク、もっちり。長いもは調理法によっていろいろな顔を見せてくれます。鳥取県は西日本地域において、長いも生産一位。なかでも、ひときわ個性が強い鳥取オリジナルブランド品種「ねばりっこ」を有します。なんだか気になるネーミングではありませんか。無類の長いも好きな担当が、あれこれ詳しく取材してまいりました!

ちょっと詳しく説明をすると...ねばりっこは、いちょういもと長いもを人工的に掛け合わせた品種。鳥取県で栽培されている砂丘長いもは他産地の長いもに比べて粘りが少ないこともあり、粘りが強く折れにくいもの、そしてもう少し短いものがほしいという要望がありました。そこで、鳥取県園芸試験場で1990年から研究が始まり、バイオテクノロジーの胚培養によって誕生しました。

ば、ば、バイオテクノロジー!

なんだか、急にねばりっこが高尚な存在に思えてきたのは私だけでしょうか。

こうして生まれたねばりっこは、砂丘長いもと比べて1~2割ほど短いため折れにくく、2倍もの粘りの強さがあります。食べてみると。まさに"ねばり"っこであることに驚きます。加えて肉質が真っ白でち密、ほのかな甘みもあります。ただの長いもではないなと、思わずうなるおいしさなのです。

さて、鳥取県のなかでも、どの地域で育つのでしょうか。

鳥取県と言えば、ではないですが、かの有名な砂丘地域。県の中央に位置する東伯郡北栄町に広がる北条砂丘畑で育てられます。どこの地域でも育てられるわけではなく、この地域でしか栽培されていません。

ねばりっこを含む長いもが栽培される北条砂丘畑では、かつてより「いも地」と呼ばれる優良ないもが多く生産できる畑と、いくら栽培管理の努力をしても良いいもができない「非いも地」がありました。鳥取県園芸試験場で、この原因を究明した結果、双方の砂畑を形成する砂の粒径と密接な関係にあることが分かりました。粒径が0.3mm以下の砂の割合が50~70%の砂畑で、良いいもができるようです。さらに調査を進めたところ、北条砂丘畑の「いも地」は、北条砂丘畑のなかでも300ヘクタールほどだと判明。現在の長いも栽培は、この「いも地」に集約して行われています。

鳥取県には東西に長く砂丘地域が広がっていますが、東部はらっきょう、西部は白ねぎ、中部は先ほども書いたように長いもと、栽培地域が分かれているのも興味深いところです。ひと言で砂丘といっても、砂質にも差があり、活用にもその個性が生かされているのですね。

ちなみに、鳥取県の長いも栽培の歴史は古く明治時代にまでさかのぼります。しかし、その始まりには二説あり、明治24~25年頃に東伯郡大誠村東園(現・東伯郡北栄町東園)の稲こき千歯の商人が関東地方に農機具の販売に行き、当時、埼玉県で栽培されていた長いものむかごを少量もらい受けたのが始まりだという説、北条砂丘の農家によって東北は奥羽地方から移入されたという説もあるそうです。

じわりじわりと栽培面積が増え、それと同時に、鳥取県育ちの長いものおいしさの評判が広がり、今に至ります。

ねばりっこ、加えて鳥取県の長いも栽培の歴史を学んだ今回、次回の後編ではねばりっこのおいしい食べ方をレポートします。
ねばりっこが当たるメルマガ読者限定のプレゼントもありますよ。
どうぞお楽しみに!

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