「さしすせそ道を極める」 by 調味料マイスター養成講座

2014年5月14日

残りものには『美味しさ』がある

皆さん、こんにちは。調味料マイスターの石川貴代です。今回は残り物には福があるではなく、残りものには『美味しさ』があるというお話。「酒」「醤油」「みりん」は液体の調味料です。それらを造る際、共通して「粕(カス)」と呼ばれる固形物が残ります。カスという言葉の響きからは、あまり良いイメージを連想しませんが...様々に活用できる、とても優れた食材なのです。

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まずは『酒粕』(写真・2枚目左)。3つの中では一番ポピュラー。「酒」は、米と米麹と水が主な原料。発酵したもろみと呼ばれるものを搾った液体が「酒」となり、残ったものが「酒粕」です。搾ったあと、平らな板状になっているものが「板粕」、粒状になっているものが「バラ粕」。酒粕をタンクなどで貯蔵、熟成させたものは「留粕」と呼ばれています。酒粕には、たんぱく質・ビタミン類・アミノ酸などが含まれていて、実に栄養豊富な食品です。江戸時代には、手で握ることができる酒、「手握り酒」とも呼ばれていました。粕漬け、粕汁、甘酒、鍋物、スイーツ、パンなど...インターネットで検索すると、酒粕を使った数限りないレシピを見ることができます。

次に『醤油粕』(写真・2枚目中)。「醤油」は、大豆と小麦と食塩が主な原料。もろみから「醤油」を搾ったあとに残るものが「醤油粕」です。大豆・小麦の食物繊維が残りパサパサしているため、一般には、ほとんど販売されることがありません。従来は、肥料や飼料に再利用されることが多かったのです。しかし、たんぱく質を分解する力は粕にも残っています。そのため、肉を醤油粕漬けにすると、とても柔らかくなります。他には、ふりかけ、スイーツ、ドレッシングなど、新しい活用法が開発されつつあります。親しみやすいレシピを増やすことが、今後の課題しれません。

最後は『みりん粕』(写真・2枚目右)。「みりん」は、もち米と米麹と米焼酎またはアルコールが主な原料。もろみから「みりん」を搾ったあとに残るのが「みりん粕」です。真っ白でぽろぽろした形状が梅の花の形に似ていることから、「こぼれ梅」とも呼ばれます。ほのかな甘味と、優しいうま味を楽しめ、芳醇な香りと、つぶつぶした食感が特徴です。スイーツ、ドリンク、粕漬け、甘酒など、幅広く利用されています。今回は、みりん粕と味噌で野菜を漬け込んでみました。(写真・1枚目)みりんが味噌の塩カドをとり、柔らかな風味を生み出します。とても美味しい漬物なのです。

調味料を造る際に残る「粕(カス)」。そこには、実に豊かな日本の食文化が育まれてきました。食材を大切にして、様々な形で味わい尽くすのが日本の食文化。豊かな自然の恵みに対する『感謝』の心が込められているのです。現代を生きる私達は...世界に誇れる食文化を残してくれた先人にも、感謝したいですね。

調味料マイスター・石川貴代の公式ウェブサイト http://stonesriver.info/takayo


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