「さしすせそ道を極める」 by 調味料マイスター養成講座

2014年3月12日

醤油屋の隠れ味

皆さんこんにちは。調味料マイスターの石川貴代です。
全国には、数多くの調味料があります。まだ世に知られていないものあるのではないでしょうか。各地を巡り調味料探訪したいところですが、なかなかそういう訳にはいきません。そこで私は、東京にいても各地の情報を手に入れる事が出来るアンテナショップによく出かけます。日本橋駅・有楽町駅周辺などには全国各地のアンテナショップが並びます。

今回ご紹介するのは、山形県のショップにあった1789年創業の山一醤油製造所が作る『あけがらし』です。

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あまりにも手間がかかるため最近まで市販されず、製造所の一族の婚礼等おめでたい時のみ仕込み、家族だけで食してきた『あけがらし』。パッケージに"醤油屋の隠れ味"と記載がありますが、一族だけに伝わる秘密の味だったのです。なんと200年にわたり、その技法は受け継がれています。

『あけがらし』という商品名の由来に、これまた趣があります。七代目のご当主は、学生時代、東京の寄宿舎で谷川徹三氏(詩人の谷川俊太郎氏の父)と同室でした。田舎から送られてきた芥子糀(からしこうじ)を肴に、酒盛りをした二人。谷川氏は、あまりの美味しさに感動。落語の『明烏(あけがらす)』をもじって、『開け芥子(あけがらし)』と命名したそうです。実はこの食べ物、もともとは新婚初夜に食す強壮剤だったらしいのです。落語の『明烏(あけがらす)』は、遊郭・吉原を舞台にした、"艶(つや)"のあるお話。とても色っぽい商品名なのです。

原材料は米、芥子、生絞り醤油、唐辛子、麻の実、三温糖。香りや見た目が近いものは、もろみやしょうゆ麹。一口試してみると、最初に麹の甘味や旨味を感じ、その後に素材のふくよかな香りと程よい辛味がやってきます。製造されてからの時間経過による、風味の変化を楽しむこともできます。唐辛子と麹を使った調味料というと新潟県の『かんずり』を思い出しますが、それとはまた別の味わい。一番のベストマッチは、ごはんのお供と、酒の肴。ドレッシングやディップに使えますし、納豆にも合います。お魚やお肉に漬けて焼くと、味噌漬けなどとは違う独特の味わいが楽しめます。

伝統的な調味料はその土地の風土や食文化を知る事ができますね。次はどんな調味料に出合えるか...楽しみです。


調味料マイスター・石川貴代の公式ウェブサイト
http://stonesriver.info/takayo


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