「さしすせそ道を極める」 by 調味料マイスター養成講座

2010年4月21日

イタリアの魚醤「コッラトゥーラ」

南イタリア料理好きには、たまりません魚醤「コッラトゥーラ」
パスタやカルパッチョにほんの少し加えるだけで、味を一変させてしまうほどの魔法のソースです。

こんにちは。
日本調味料ジュニアマイスターの'はな'と申します。

地元のイタリア料理店で出会った南イタリアの魚醤「コッラトゥーラ」のパスタ。お醤油では、和風になってしまいますが、この「コッラトゥーラ」を使用すると、魚の旨みとこくのある塩味が、南イタリアの漁港の風景を思い起こさせてくれます。

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魚醤「コッラトゥーラ」の歴史ですが、ポンペイ時代に始まった魚醤づくりが、一度絶滅し、13世紀に、再び、イタリアのアマルフィ海岸にあるチェターラという小さな漁村のみで復興されたと言われています。現在もこの地域でしか作られていないそうです。

アマルフィといえば、昨年、映画化された織田雄二主演「アマルフィ 女神の報酬」の舞台となったイタリア共和国カンパニア州のコムーネ(都市)で、ナポリから南へ40kmにある観光名所です。アマルフィ海岸は、ユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録されているそうです。

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原料は、「カタクチイワシ」と「トラパニの塩」のみ。すべて手作業で魚を掃除し、塩漬け、ビン詰めなどを行っています。

カタクチイワシは、別名ヒシコイワシともいわれ、日本では、煮干しや丸干しにして食べられていますね。海外では、アンチョビの原料となります。「トラパニの塩」は、何世紀にも渡って塩田と製塩業で栄えているシチリア島の都市トラパニで、伝統的に作られているミネラルたっぷりの海塩です。
イワシと海塩の魚醤と聞くと、ニョクマム、ナンプラーなどの独特の強い匂いを連想されませんか?ところが、この「コッラトゥーラ」は、全く臭みがなく、鰯やミネラルの旨味がふんわり口の中に広がり、まさに『西洋のだし調味料』といった風味です。


伝統的な作り方としては、カタクチイワシの内臓と頭を取り除き、約6カ月間塩漬けにし、アンチョビを熟成させます(5月に仕込みはじめ11月位まで熟成)。すると褐色のコッラトゥーラの原液ができます。この液を円錐形を逆さにした袋に詰め、ろ過した液を取り出し、また、袋に戻します。この工程を10回ほど繰り返すと、純度が高く旨みの凝縮した黄金のコッラトゥーラが仕上がります。ろ過は、袋の他、テラコッタの壺(素焼の下部に水分のぬき穴がある壺)も使用されるそうです。

13世紀に復興したコッラトゥーラですが、その先祖となる調味料は、「ガルム」と呼ばれ、古代ローマで用いられていたアンチョビの内臓や頭などから作った魚醤です。万能の調味料として使用されたガルムも、ローマ帝国の滅亡と共に廃れ、調味料の主流はソースへと移っていったそうです。


コッラトゥーラは、塩の代わりとして、パスタ、煮込みなどの様々な料理に利用できます。パスタとの相性は抜群ですので、野菜、ニンニクをオリーブオイルで炒め、茹で上がったパスタとコッラトゥーラを絡めるだけで、簡単に、旨みとコクのあるパスタができます。また、アクアパッツァやパエリアなどにもほんの少し加えることで、一味違った深い味わいの一品に仕上がります。旨みが強くまろやかな塩味なので、日本料理の汁物や鍋料理、野菜の煮物、おひたしなどにも「だし」のように利用できると思います。


通信販売で購入できますが、250mlで4500円ほどしますので、ちょっと手が届きにくいですね。まずは、南イタリア料理のお店でお料理を注文してみるのは、いかがでしょうか?
ただし、北イタリアで修業されたシェフのもとを訪れた際、「コッラトゥーラ」について、伺ったところ、お店では全く使用しないそうです。限られた地域で修業されたシェフのお店を訪れないと南イタリアの漁村の味を堪能することは、難しいかもしれません。訪ね歩いて、美味しい「コッラトゥーラのお料理」と出会うのも一つの楽しみですね。

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