2009年8月18日
古くて新しい...、新潟の「糀物語」2
※「糀物語」1、より引き続き。文・調味料マイスター 神林春美
私が初めて、『古町糀製作所』にお邪魔したのは、開店から3週間程経った、ある日。
「糀」の専門店とは、どんなお店なのか...?
開店前から、ずっと気になっていました。
― 糀オリジナルドリンク
― 糀ソーダドリンク
― 糀豆乳ドリンク
― 糀果汁ドリンク
― 糀フルーツビネガーソーダ
― 糀スムージー
― 糀アイスクリーム
メニューを見ると、「初めて!」という感覚を真っ先に。
そして、新しい和のドリンクを前に、はやる気持ちもありました。
「糀」と言うと、真っ先に思い浮かべるもの、みなさん共通で、それは「甘酒」ではないでしょうか。
冬の寒い時期に、体を温めてくれる、「甘酒」。
擦った生姜も入れれば、すぐに、体がぽかぽかしてきます。
しかし、『古町糀製作所』では、この夏の時期、冷たいドリンクとして紹介をしています。
実は、その後うかがった話でわかったのですが、その昔、江戸時代の頃は、「甘酒」は夏の飲み物だったとか。
食の細くなる時期、庶民の、今で言う「栄養ドリンク」の役割を果たしていたようなのです。
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「迷いますね...、オススメは、どれでしょう?」そんな私の問いに、「初めての方には、」と前置きした後、店長の持田さんが勧めてくれたのは、「糀オリジナルドリンク」でした。
それぞれのメニューには、生姜や柚子、黒酢や小豆茶、煎茶など、糀と相性が良いのでしょう、こちらも和素材を中心に、いくつかのお味が。
私は、やはり、糀らしさを一番感じられるかと、オリジナルドリンクの中でもプレーンを注文。
糀をお水で溶いただけ。砂糖は一切使っていない、糀そのものの甘さを一番感じられるドリンクを選びました。
お米の粒がたくさん入った、その「糀オリジナルドリンク」。
ゴクっと一口飲むと、とても濃い、でも、 明らかに、砂糖の甘さとは違う、どこかさっぱりとした程よい甘さが、広がりました。

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実は、『古町糀製造所』店長の持田さんは、埼玉県の出身で、結婚を機に、新潟に来られた方。
縁あって、こちらのお店の店長になられたということですが、「今ではすっかり、糀に魅せられています」、とのこと。
その日も、糀ドリンク片手に、いらっしゃるお客様やお店の様子を眺める私に、持田さんは、糀の魅力について、次々とお話をしてくださいました。
中でも、とても印象的だったお話は、「糀は出発点、酒粕は終着点」というお話。
一般的に、甘酒と言うと、「糀」と「酒粕」の二種類があることを、みなさん、ご存じでしょうか。
どちらも、お酒づくりに関わるものですが、― 糀は、お酒を作る、最初の段階のもの。
― 酒粕は、お酒を作った際に生まれる個体部分であり、最終段階のもの。
糀は、原料となるお米に麹菌を付けたものであり、麹菌自体が、お米のデンプンを糖に変える性質があるため、お米が本来持つ、自然の甘みを感じることができます。
一方、酒粕は、この米麹に、酵母と水を加え、発酵させていくもの。
発酵が進んだ後、それを絞った部分が「清酒」となり、個体部分が「酒粕」となるそうです。
すでに、それ自体には甘さはほとんどなく、いくらかのアルコール分も残ってしまうのだとか。
「なので、糀の甘酒は、妊婦さんや子供も、安心して飲めるんですよ!」持田さんのお話の後、そう付け加えてくれたのは、アルバイトの伊藤美咲さん。
「この糀ドリンクを通して、小さいお子さんからお年寄りまで、いろんな世代の人とお話ができることが、とても楽しい!」と、瞳をキラキラさせながら、お話してくれました。



