「ふくらむふくらむ」byパンアドバイザー養成講座

2016年5月19日

熟成とパン

これって、「熟成」なんでしょうか。

パンづくりの工程中、「熟成」という言葉を使っているサイトを見かけました。低温長時間発酵法(オーバーナイト法)において、生地を一晩程度冷蔵庫で寝かせる工程を「発酵および熟成」と表現していたのです。

私は食品の「熟成」を、味噌、お酒、熟成肉など少なくとも数か月以上かかる発酵食品の、味をならし、うま味を凝縮させる最終段階を表すものだと思っていました。パンの低温長時間発酵の工程は、長時間とは言ってもせいぜい一晩か二晩程度、味噌等のそれと同等に扱われる期間には思えなかったのです。

 

 では、熟成とは、辞書ではどう定義しているのでしょう。サイト「コトバンク」によると、

成熟して十分なころあいに達すること。「機運が熟成する」

魚肉・獣肉などが酵素の作用により分解され、特殊な風味・うまみが出ること。発酵を終えたあとそのままにし、さらに味をならすこともある。なれ。「味噌が熟成する」

物質を適当な温度などの条件のもとに長時間置いて、ゆっくりと化学変化を起こさせること。

オーバーナイト製法の一時発酵工程は、パンの風味を増し、きめ細かなパンの製造を可能にする工程です。2、3に該当するとも言えますが、これだけでは納得できませんでした。

 

 そこで、「パン」と「熟成」、この二語を入れて書籍を検索したところ、ある本に出会いました。食品と熟成 光琳選書10 石谷孝佑 編著 です。

 この本では、「熟成」とは何か、そして主な「熟成」食品の解説が書かれてあり、パンについても図・表入りの簡単な説明がありました。それによると、『どのような種類のパンを製造する場合であっても、製パン法の選択および製造工程条件のコントロールによって様々な美味しさをパンに演出することが可能であり、この内容をパン生地の熟成(生地熟成)と呼ぶ。』とありました。

 これで、やっと納得できました。ミキシング、生地の膨張(一時発酵)、圧縮(パンチ)、成形、膨張(二次発酵)とパンづくりは複雑な工程を繰り返します。これらの工程はすべて最高のパンを焼きあげるための工夫であり、窯にいれるタイミングに合わせ必要十分な時間をかけた工程だから、数時間単位の期間であっても生地熟成と呼ぶのだと、頭にスーッと入ったのです。

 

 また、この本を読んで、パンの生地熟成には、製造方法のみならず、さまざまな要因が複雑にからみあい、まだよくわかっていないことがたくさんあることがわかりました。パンって本当に不思議がいっぱいですね。もう少し上級の本にもチャレンジしてみようと思います。

 

160519.jpg

我が家にある、熟成食品を集めてみました。

でも、これはほんの一部だということが、この本(食品と熟成、写真左上)を読むとよくわかります。


パンアドバイザー&野菜ソムリエ
むぎの きく
http://muginokiku.seesaa.net/


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