「ふくらむふくらむ」byパンアドバイザー養成講座

2015年8月18日

何兆もの酵母に感謝しつつパンをいただく

パンを食べるとき、私はいつも敬虔な気持ちになります。

 

パンは基本的に、小麦、水、塩、酵母(イースト)、この4つの材料から作られますが、酵母だけは生き物です。私は食パン1斤を作るとき、ドライイーストを約3g使います。ドライイースト1gに存在する酵母の数は350億個以上だそうですから、単純計算しても1000億個以上の酵母を、小麦、水、塩と混ぜてこねて、発酵(増殖)させることになります。そして、発酵後おそらく兆単位の数に増えた酵母は、最終的には焼かれて、私たちのお腹におさまるのです。

 

 食事の始めの挨拶「いただきます」の言葉には、二つの意味があるそうです。一つには、食事に携わってくれた人々への感謝です。食材の生産・流通・販売、そして料理に携わった人への感謝の気持ちが込められているそうです。もう一つは、食材そのものへの感謝です。野菜・肉・穀物等の命を食べることで自分の命に変えることへの感謝の気持ちだそうです。酵母は、パンを発酵する過程において、ガスを出してふかふかの生地をつくるために働いていました。また、栄養分としてごくわずかでしょうが、パンの一部となって私たちの命に変わります。まさに酵母は、「いただきます。」の言葉が込めた二つの感謝の両方に当てはまるのです。

 

 パン・オ・ルヴァンというパンがあります。

ルヴァンはフランス語で酵母の意味で、日本では小麦やライ麦に付着する酵母を用いて作ったパンをパン・オ・ルヴァンというそうです。じっくり発酵させたからでしょうか、噛みごたえがあり、酸味やうまみが強く感じられる味わい深いパンです。酵母のパンですから、このパンを食べると酵母も味わっている気分になります。

 

 パンを食べるとき、いちいち酵母に思いを馳せる人は少ないでしょう。でも、何兆もの酵母に感謝しつつパンをいただく人間がここにいるということを、このブログを読んでくれた人が、頭の隅に覚えておいてくれると嬉しく思います。

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パン・オ・ルヴァン



パンアドバイザー&野菜ソムリエ

 むぎの きく

http://muginokiku.seesaa.net/


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